カナダと言えば、深い針葉樹の森に、夏でも残雪を残す銀嶺の山々というイメージ。ところが、バンクーバーから車でたった5時間走ったところ、ここカムループスは、カナダのなかでも珍しい暑く乾燥した砂漠地帯です。赤茶けた大地に、セージの低木とサボテン。まるで、西部劇に出てくるような風景。こんなカムループスに、オーストラリアから移民してきた男性がいました。その男性は、「やっぱりカンガルーが恋しい・・・」と言うことで、なんと、ペットとしてカンガルーを飼い始めたのです。カンガルーの名前は、ジョージ君。気候も大地もオーストラリアの砂漠に似ていることから、ジョージ君も男性も最初は大喜びでした。
ところが二ヶ月ほど前、突然、ジョージ君は、カナダ観光でもしたくなったのか? それとも、街に出てカナダのビールでも、グビッとやりたくなったのか? ぴょ~んと柵をひとっ飛びして、どこかへ行ってしまったのです。「おいら、ちょっくら、旅にでら~」と、まるで、ふうてんの寅さんのように。(本当は脱走?) 突然居なくなったジョージ君に、飼い主は大慌て。だって、なんだかんだと言っても、ここはカナダ。外に出れば、熊やコヨーテ、クーガー(オオヤマ猫)がいて、本当は怖~い森。ジョージ君は、カンガルーの得意技、ハイジャンプ・ドロップキックで捕食動物どもを撃退できるかもしれませんが、夏が終われば、マイナス20度にもなる極寒の冬がやってきます。だから、なにがなんでも保護してあげなければならないのです。まっ、ジョージ君のことですから、冬でもセッタを履いて、赤いマフラーを肩から下げて、カタカタ石鹸を鳴らして、銭湯に現れるかもしれませんが・・・(カナダには、銭湯はなかったっけ?) つい最近、鹿の群れのなかでジョージ君を目撃したという情報がありましたが、駆けつけたときに
はすでに遅く、いったいどうしていることやら・・・。本当は、ホームシックになって、オーストラリアを必死に目指しているのかもしれませんね。・・・としたら、バンクーバー空港に現れるかもしれません。
ということで、カナダで行方不明になっている、カンガルーのジョージ君に懸賞金が賭けられました。
早く見つかるといいね。
※写真は、ジョージ君の私の勝手なイメージです。本物ではありません。
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