2012年4月30日月曜日

落水者救助法練習の2

落水者救助法練習の2です。
これのポイントは、ヒーブトゥーのタイミング時に、船がMOBに近すぎるので、オーバーシュートする分をクローズホールドで風上に上ったことですね。


(出演者の皆様、ありがとうございます。)


2012年4月28日土曜日

MOB(落水者)救助法、練習VTRです。

MOB特集ですね~。

今春の国内クルーズ(別府~関門海峡~博多)の行程中に行った、MOB落水者救助法の練習の記録ビデオです。MOB救助に大成功連発!

海況に合わせて、臨機応変にできるようになるといいですね!



出演者の皆様、いつも、ありがとうございます。

(ケ、ケツって…、せめてオを付けて言って。いやん)
広辞苑でも、スターンの和訳の一つに、ケツって書いてありましたけど…。

MOB練習方法

船で一番恐ろしいのはMOB(落水)、そして統計からわかっているのですが、普段からMOB救助練習をしている船はまず殆どMOB事故を起こしていません。
そこでMOB練習について、一言。
必要なのが、MOBポール、これ、日本の船で搭載しているのはとても少ない(ということは練習している挺が少ないということ)。
まず、MOBポールを搭載しなければならないのですが、フェンダーなどでとりあえず練習することも可能です。

◯ フェンダー使用の注意点:

・ 回収しやすいようにながいループを作る。
・ フェンダーだけでは風でどんどん流れ、練習にならないのでオモリをつける(チェーン、大型の釣り用のオモリ、ペットボトルに砂を入れてなど)

そのほか、練習する場所は風下に充分余裕がある場所を選びましょう。

◯ MOB練習の他の利点

MOB練習を続けると、ポイントオブセール、風に対して自挺がどの位置にあるのかを常に認識し続ける習慣が自然に身につきます。これ、ただセーリングしているだけだととなかなか身につきません。

Bob

2012年4月27日金曜日

落水者救助法、比較してみました。

ISPAは、ASA(アメリカ)やRYA(イギリス)などの従来のヨットスクールの問題点を改善して作られた団体なので、ISPAが教えるMOB救助法は、もっとも効率的で安全なのは疑いようもありません。

でも、どうして、既存の老舗的なスクールは、未だ8の字救助法を教えているのでしょうか?

ちょっと比較してみました。


8の字救助法
(主にASA、日本ではAOKIが教えている)
クイックストップ&ターン法
ISPAが教えている)


 ≪メリット≫

①ジェイブしなくてもよい。


(あれ、一つだけ?)









 ≪メリット≫

MOBとの距離が離れない。
MOB引き上げ時の状態は、ヒーブツーが基本のため、船が安定している。
③デッキ上での作業が安全。
④舵を風上に切って固定すれば、船は安定しているので、ヘルムから手を離せる。ヘルムズマンが救出に行ける。
⑤ヒーブツー後、速やかにセーリングに戻れる。
⑥ヒーブツー状態で、MOBの周りを回り続けることができるので、一度で取れなくても、再度迅速に試みることができる。
⑦船首が必ず風上の方向に向いているので、横転しない。


 ≪デメリット≫

①8の字を描いている間にMOBとの距離が離れてしまう。
②ビームリーチ(横風横波を受ける)を走る距離が長い。
③スピードコントロールをジブのリリースで行うために、バタバタとフロッキングを起こし、ジブがファーリングに絡む。
④ジブシートも、いたるところに絡む。
⑤バタついているジブシートで、デッキ上の作業が困難。シートに鞭打ちされる。
⑥すぐにセーリング状態に戻せない。
⑦一度で取れなかった場合の、再度の試みが迅速に行えない。
⑧船が不安定で、木の葉状態。


 ≪デメリット≫

①ジャイブしなければならない。
②安全にジャイブするために、メインを全部引き締めるので、その時間を要する。

(①②ともに、手際がよければ、まったく問題ない)


荒天時では、8の字の最後の段階のジブのリリースは、現実的ではないように思いますね。

やはり、最後はヒーブトゥーにした方がいいですね。ヒーブトゥーにするには、裏ジブになるマニューバにしなければなりませんので、MOBと帆(風)との関係をしっかりと分かっていなければなりませんね。



2012年4月22日日曜日

MOB質問・回答

オーバーシュートして風上に上り過ぎた場合の対応。

まず、ヒーブツー完成の後(裏ジブ・メインリリース、ラダー風上一杯)はスピードをコントロールすることはできません。
コントロールできるのはジブを裏ジブとしたまま、ラダーとメインセールのトリムをすることによる、船の方向とスピードです。

風上に上がり過ぎた時、下の図(前回の回答と同じ)のように目標は青の破線に早く乗って<A地点>でヒーブツーを完成します。
理想は、<2>の地点でヒーブツー、MOBに対して風上の上り過ぎたことを即座に判断、すぐに風下に大きく舵を切り、深いブロードリーチで<赤の太い矢印>に沿って移動。
<青の破線>に到達したら<A地点>にヒーブツーの状態で向かう、このとき必要に応じてラダーとメインセールを微調整、<青の破線>に沿って動く。
☆ 注意:ブロードリーチのときにアクシデンタルジャイブに気をつける。

早く<青の破線>に乗らなければならない理由
もし<2>の地点から<A地点>に真っ直ぐ移動してしまうと、<A地点>までは浅いブロードリーチで移動することとなり、かなりスピードが出てしまう。
スピードの出た状態で<A地点>に到達してヒーブツーすると、ラダーが効いて一旦風上に船が動き、かつ、本来のヒーブツーのスピード状態に変わるまでに時間がかかり、MOBを捕まえるのに失敗する可能性が高くなる。

MOBに対して、X軸方向にまだ距離があるうちに<青の破線>に乗ることが大事なのはこの理由によります。必要に応じて<ヒーブツー ⇒ 裏ジブのままブロードリーチ ⇒ ヒーブツーしてMOBとの角度確認>これを繰り返しながら<A地点>にゆっくり向かいます。



2012年4月21日土曜日

質問2、MOBアプローチラインの修正は?

またまた質問です。
実際のMOBは、大慌てして、なにかとすぐにできず、離れてしまうこともあると思います。
そこで、MOBへのアプローチラインの修正をいろいろ考えました。(机上の推論ですが)

先の質問で、クローズホールドで切り上げ過ぎ、離れてしまったことを想定します。
(ASAが教える8の字救出法の最後の場面と同じになります)

オーバーシュートしてしまう分、減速しなければなりません。
この場合、ASAでは、ジブのリリース(フロッギング)で、減速停止を教えていますが、この方法では、ジブとシートのバタつきが邪魔です。
それに、ジブやシートが絡んだ場合、すぐにセーリングに戻ることができません。

ISPAでは、最後のキメは、船が安定するヒーブツーが基本ですが、ヒーブツーを準備しつつ減速するには、どのようにすればいいのでしょうか?

(図は、クリック拡大できます)


これからも、いろいろ(変な)質問をすると思いますが、お付き合いください。


MOB 回答


まず、シンプルな質問から回答。
ヒーブツー完成後のスピードは1~1.5ノット程度。
MOBの風上に船をヒーブツーで止めたときにはこのスピードになっていなければなりません。充分スピードを落とせないとMOBがロープなどに捕まっていることが難しくなります。

ISPAのMOBマニューバの基本、それはMOBから出来るだけ離れないという点にあります。
よく使われているフィギュアエイトターンはこの点に問題があります。

理想的には図の<A>のポイントで船をヒーブツー完成状態にすれば良いわけですが、経験の少ないヘルムスマンでも行うには<青のコース> MOBのすぐそばの風下(即ちMOBのすぐそば・離れない)を通り、スターンがMOBを通過した瞬間にヒーブツーすればポイント<A>でヒーブツーの状態となります。

クロースホールドからこれを実現するには幾つかの問題点が発生します。
1.<赤・実線>MOBから離れたくないので出来るだけ近くを通過、通過した瞬間にヒーブツーすると図のように必ず風上に行き過ぎ(B地点)、オーバーシュートしてしまいます。

2.理想的には<A>の延長線上でヒーブツーするようにクロースホールドで近づき、かつ、X,Y両方向のMOBからの距離を少なくするのですが・・・例えば、<赤・破線1>、この判断がなかなか難しく、かつこの図でもわかるように理想的な<赤・破線1>で近づいたとしてもビームリーチコース<青・実線>に比べるとMOBから離れています。

3.殆どのケースでは、MOBの風下にいってしまう、即ちMOB回収不可能になるのを恐れて充分風上に行くまで、即ちX,Y両方向でMOBからかなり離れたところでヒーブツーしてしまいます。
ヒーブツーした後、理想としては<A地点>に向かう<青・破線>に早く乗るため<赤・実線矢印>のコースをとり、<青・破線>に沿ってMOBに近づけるのですが・・・
これがなかなか判断できず、<赤・破線矢印>のコースでMOBに近づいてしまいます。
<赤・破線矢印>に乗って近づくということ、それは完全にヒーブツーになっていない状態で近づくということですから、結構なスピードが出たままMOBに近づいてしまうということになります。

「ビームリーチでは横風、横波を受ける」という問題点に関して
海況が悪くてビームリーチで走るのが危険という状況ならば、<ピンク・実線>のクロースホールドでMOBに真っ直ぐ近づき、MOB到達直前にバウを一旦ビームリーチの状態になるように風下に振り、すぐにヒーブツー、そうすると結果は同じ、<A地点>でヒーブツー完了となります。

要はMOBのすぐ風下でビームリーチの角度としてからヒーブツーすれば良いので、比較的経験の薄いヘルムスマンでも簡単にできます。

皆さん、練習しましょう。

2012年4月20日金曜日

MOBについての質問です

ボブさん

MOBですが、風下からクローズホールドに切り上げてからの話です。

横風・横波を受けるビームリーチを走らず、斜め45度で波を切ることができるクローズホールドでMOBに接近する場合を考えてみました。

オーバーシュートする可能性が高いと言うことですが、私としては、横波・横風のリスクを減らしたいので、以下のように考えるのですが、どうでしょうか?

ヒーブトゥー後のスピードは、どのくらい出るものでしょう?
強風の場合、オーバーシュート分を先に走ったとしても、またMOBから距離が離れてしまいますか?




2012年4月7日土曜日

漁港の人情・・・

瀬戸内海、国内クルーズ中、漁港に係留したときのことです。
漁師のおとーちゃんと、おかーちゃんが、獲ってきたばかりのアジをくれました。ついでにさばいてくれて、美味しいアジのお刺身がビールのツマミになりました。

日本では、一部のプレジャーボートのマナーの悪さから、漁港にうとまれるようになり、「今はなかなか漁港に係留することができない・・・」という声を耳にしていましたが、こんな人情がまだまだ残っているんですね。

未来に残したい、日本のクルージング風景ですね。

そのあと、このおかーちゃんが、畑からひっこ抜いて、大根も持ってきてくれました。朝のお味噌汁になりました。



2012年4月2日月曜日

関門海峡通過

瀬戸内海から、関門海峡を通り、玄界灘へ。

瀬戸内海、後半国内クルーズも無事終わりました。
後半は、結構吹かれ、良いトレーニングになりました。