2009年5月17日日曜日

ブヒ、ブヒ

日本のH1N1対策は素晴らしいと思いました。対応の早さ、空港での検査体制、どれをとっても抜け目がなく、他の国(香港など...あ、中国か)からも賞賛されてます。これならば、不治の病が大流行しようとも日本人は最後まで生き残れるような気がします。そうなれば、トム クルーズではなく、日本人がLast Samuraiになれることでしょう。

然しながら、メディアのせいなのか、民族の習性なのか、マックタックさんも言及しておりましたが、日本人の大半の反応はパニック状態のように思えます。ニュースを読んでいると誤解が誤解を招き、とんでもない解釈になっているような...。例えば、サッカー協会がアメリカへの遠征を禁止したとか...この時期、北アメリカではバスケとホッケーのプレイオフ、野球も開幕して、ものすごい盛り上がっていると言うのに...。

確かにアメリカは今やメキシコを越え、一番 感染者が多いです。5月9日の時点で1,639人の感染者、しかしながら死者は2人しかいません。それに、アメリカの人口密度と人口を考えると、129273個の東京ドームに感染者が一人いるくらいです。勿論、アメリカ南部や都市部のほうが感染者は多いでしょうが...。

個人的に日本のメディアが触れて欲しいのは...
1.)今の所、マックタックさんが言ったように、殺傷力は低いこと。これはH1N1は肺の深部に付着することができないからです。H1タンパク質が変異しないかぎり、このままでしょう。

2.)WHOのパンデミックアラートは現在5。これは病気の拡散の度合いから決められます。ここでメディアが言及しなければならないのは、このランキングはウィルスの殺傷力とは無関係です。例えば、新しいタイプの水虫が世界中に広まっても、この規定で判断すればパンデミック(ランク6)となります。

3.)遅かれ、早かれ、あなたは豚インフルエンザにかかります。スペイン風邪や、他のインフルエンザがそうなように、ウィルスは人間と共存します。自然の摂理です。ちなみに殺傷力が弱いほうが、繁栄を目指すウィルスにとって都合がいいのではないかと言う学者もおります。エボラウィルスがアフリカからでてこないのは周知の事実ですね。

4.)鳥と、豚インフルエンザの違い。豚と違い、鳥インフルエンザH5N1はとても殺傷力が高いです。香港で空気感染可能なステージまで変異する前に対処ができたことは不幸中の幸いでした。しかし、H5N1にしても、必ず流行します。問題はいつ、どこで起こるかです。

長々と書いてしまいましたが、油断が禁物なのも事実です。人間にとって、ウィルスはまだまだ未知の病原体です。豚インフルエンザにしても変異し、殺傷力を高める可能性はゼロではありません。また、今なくなっても、第2波が訪れるでしょう。ですから、ワクチン開発までに、拡大を防ぐ努力は怠るのはいけないのも事実です。ただ日本のニュースを見ていますと、「豚インフルエンザ=死」みたいな図式が出来上がっているように感じます...そして、日本以外は全てレッドゾーン...。










”豚インフルエンザ 世界地図”で検索、一番最初に出て来た画像。(5月17日現在)














”Swine Flu world map”で検索して一番最初にヒットした画像。

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